相続税対策としてよく知られている「生前贈与」ですが、正しく理解しないまま行うと、かえって税負担が増えてしまうケースもあります。
一方で、制度を適切に活用すれば、将来の相続税を大きく減らすことが可能です。特に二次相続まで見据えた対策として、生前贈与は非常に有効な手段となります。
本記事では、生前贈与の基本から具体的な節税方法、注意点まで、税理士の視点でわかりやすく解説します。
生前贈与とは何か
生前贈与とは、被相続人が生きているうちに財産を家族などに移転することをいいます。相続開始前に財産を減らすことで、相続税の課税対象を減らす効果があります。
ただし、贈与には贈与税が課税されるため、制度を正しく理解して活用することが重要です。
年間110万円まで非課税(暦年贈与)
贈与税には「年間110万円の基礎控除」があります。この範囲内であれば贈与税はかかりません。
例えば、毎年110万円ずつ子どもに贈与することで、長期的に大きな財産を移転することが可能です。
相続税対策としてのメリット
- 相続財産を減らせる
- 将来の税率上昇を抑えられる
- 計画的な資産移転ができる
特に、相続税は累進課税であるため、早めに財産を分散することで節税効果が高まります。
注意点① 相続開始前の贈与は持ち戻し
相続開始前一定期間の相続人に対する贈与は、相続財産に加算されるルールがあります(持ち戻し)。
このルールを知らずに直前で贈与を行っても、相続税対策にならない可能性があります。
注意点② 名義預金とみなされるリスク
子どもの口座に資金を移していても、実質的に親が管理している場合は「名義預金」と判断され、相続財産に含まれることがあります。
贈与契約書の作成や通帳管理の徹底が重要です。税務署はATMの引き出し履歴も確認するため、親と子が別地域に居住している場合、該当口座の引き出しを子の居住地域でしておくことも対策の一つです。
注意点③ 定期贈与とみなされるケース
毎年同じ金額を同じタイミングで贈与していると、「最初からまとまった贈与の約束があった」と判断される可能性があります。
金額や時期を柔軟に変えるなどの工夫が必要です。
活用できる特例制度
教育資金の一括贈与
一定額まで非課税で教育資金を贈与できます。
住宅取得資金の贈与
住宅購入のための資金を非課税で贈与できる制度です。
これらの特例は要件があるため、事前の確認が重要です。
二次相続対策としての生前贈与
生前贈与は二次相続対策としても有効です。一次相続の段階から計画的に贈与を行うことで、将来の課税対象を減らすことができます。
特に、子どもへの分散贈与は税率の上昇を抑える効果があります。
札幌で生前贈与を行う際のポイント
札幌では不動産を含む資産が多いケースもあり、現金だけでなく不動産の活用も含めた検討が重要です。
また、家族構成や資産状況によって最適な方法は異なるため、個別のシミュレーションが必要となります。
まとめ
生前贈与は相続税対策として非常に有効ですが、ルールを誤ると逆効果になることもあります。
重要なのは、長期的な視点で計画的に実行することです。特に二次相続まで見据えた設計が、最終的な税負担を大きく左右します。





