本日は本当は恐ろしい贈与税の加算税・延滞税というテーマでお話をいたします。
今話題となっている人気キャバクラ嬢のケースは金額が少し特殊ですが、相続において贈与税の問題はよくでてきます。
皆さんにも関係ある話となっているので、是非最後までご一読下さい。
人気キャバ嬢ひめかさんの今回騒動の概要
大阪の高級歓楽街・北新地で有名な元人気キャバ嬢・ひめかさんに関する内容です。 そのひめかさんが親しかった元お客さんともめており、その人から次のような暴露を受けているということです。
■大阪・北新地で有名な元人気キャバ嬢ひめか氏が
お客さんともめて下記暴露を受けた
・25億円相当のプレゼントをもらっていた
※ブランド品、貴金属など
・上記贈与税申告をしていない
⇒税務署が20億円程度の徴収!?
⇒とても支払えないのでどうなるのか
そのお客さんはひめかさんに25億円相当のプレゼントを贈っていたとのこと プレゼント内容はブランド品や貴金属、美容整形費用もだしていたとのことです。
そして、問題になっているのが、上記プレゼント代を贈与税申告していない、という内容です。 現時点ではあくまでもお客さん側の主張なので真偽のほうはわかりません。 ただ、SNSでここまで炎上しているので、税務署側が動き始めていることは間違いありません。
暴露したお客さんは、プレゼントした領収書も保存してあるといっているので、 それらの証拠集めが完了した段階で調査に入ると思われます。
で、仮に情報が正しければ、なんと20億円程度の徴収に発展する恐れがあります。 もうプレゼント代から税金まで、金銭感覚がばぐっており、よくわからない数字ですね。
贈与税は非常に税率が高くなるので、恐ろしい税金なのです。 で、この金額、本当に払えるのか、払えない場合どうなるのか、とういうのが次の章からの内容です。
ちなみに話を脱線しますが、今回の情報を暴露したお客さんは、なんとエクシアの代表社員かけるんです。 ぼくはこの数日前まで、ひめかさんもかけるんも知りませんでした。
ですが、エクシアについては元々知っていました。 エクシアといえば、ポンジスキームを駆使した投資詐欺で立件されています。 被害金額は700億円近いともいわれております。 その資金の一部がこうやって水商売に流れていた。 そして、今度は税務署・つまり国にお金が入ると思うと、少し変な感じがします。
贈与税の仕組みと税率
贈与税の仕組みと税率について基本的なお話をします。
■1年間に贈与を受けた財産の合計額に対して課税
■基礎控除110万円あり
■税率は特例税率と一般税率あり
■例)男性客Aから500万円・Bから400万円をもらった場合:
(500万円+400万円▲110万円)×40%▲125万円
=191万円の贈与税
■時効:6年(悪質な場合7年)
贈与税は1年間、つまり1月1日から12月31日までに贈与を受けた財産の合計額に対して課税されます。 申告期限・納期限は翌年の3月15日です。
贈与税には基礎控除額が110万円あります。 なので、200万円の贈与を受けた場合、200万円から110万円を控除した90万円に対して贈与税が発生します。
税率は特例税率と一般税率があります。
特例税率は18歳以上の方が親や祖父母などの直系尊属から贈与を受けた場合の税率です。 特例税率の場合少しだけ優遇されています。
そして、特例税率に該当しなければ、一般税率で、こちらが速算表となります。
具体例をみてみましょう。 2024年中に男性客Aから500万円、Bから400万円のプレゼントをもらっていた場合、 プレゼントの合計額900万円から基礎控除110万円を控除した790万円に対する税率を速算表に当てはめます。
税率40%で、控除額が125万円となるので、計算式はこちらとなり、贈与税額は191万円となります。 速算表をご覧いただくと分かるのですが、贈与税は税率がすぐ上がります。 3000万円超となると、もらった金額の55%が税金でもってからてしまうので、かなりきつい税金です。
そして贈与税の時効は原則6年です。 つまり、2024年に受けた贈与税の時効は申告期限の2025年3月15日から6年後の、2031年3月15日となります。
ひめかさんのケースで贈与税等はどうなるのか
さて、今回のひめかさんのケースでは税金がどうなるのでしょうか。
■贈与を受けた財産額:25億円
※恐らく他のお客さんのプレゼントもあり
■ 贈与税(仮に1年間で全てもらっていた場合):
(25億円▲110万円)×55%▲400万円=約13.7億円
■無申告加算税20%:2.7億円
(又は 重加算税40%:5.4億円)
■更に納付期限過ぎているので延滞税も発生
■納付方法=現金納付
⇒できなければ財産差し押さえ
+税金は自己破産NG
⇒今までのプレゼントを売却して納税できるかどうか
かけるんがひめかさんへ贈与した財産額は25億円と言われています。 しかも、人気キャバクラ嬢だったので、間違いなく他の男性からも高額プレゼントをもらっています。
当然、贈与税は、全ての方からもらった財産額の合計額に対して課されます。 仮に1年間で25億円のプレゼントをもらっていた場合、贈与税の計算式は上記のようになります。
25億円から基礎控除額110万円を控除し、それに55%の税率を掛け、400万円の控除額を引きます。 で、約13.7億円の贈与税と計算されます。 すごい金額ですね。
さらに、贈与が行われたのは数年前のことで、かけるんによれば贈与税申告をしていないということです。 となると、無申告者に対する無申告加算税も発生します。
贈与がいつ行われたかによりますが、20%で約2.7億円の無申告加算税となるでしょう。 もしくは、悪質だと判断されれば、重加算税がかけられ、そうなると40%の5.4億円の加算税となるかもしれません。
ひめかさんはSNS等で、プレゼントをもらうと高額な贈与税がかかる等の投稿を発信していたようなの、 プレゼントが贈与税の対象であることは把握していたように感じます。 とすると、仮想・隠蔽に対する重加算税を税務署は主張するようにも感じます。
こうなると、贈与税で13.7億円、重加算税で5.4億円の合計19.1億円の納税が発生する可能性が高いです。
さらに、さらにですよ。 本来の納付期限が過ぎているので、延滞税も発生します。
いつの贈与なのか分からないので金額は分かりませんが、こちらも数億円になると思われます。 となると、トータル20億円以上の納税ですね。
納付方法は基本的に現金納付です。 稼いでいるとはいえ、ひめかさんは若いので、この金額の納付ができるのでしょうか。 普通に考えると、稼いでいるということは納税額も高額なので、この金額のキャッシュを用意するのは難しいと思われます。
となると、どうなるか。 保有財産の差押えが実施されます。
そして、税金は恐ろしいもので、基本的に自己破産ができても税金は帳消しになりません。 金融機関等からの借入とは異なり、税金が免責されるケースは非常に稀です。
今までもらったプレゼント等を転売することにより納税資金を確保する。 それくらいしか方法がないかもしれません。
今回のケースは超有名キャバクラ嬢だったのでここまで炎上しています。 ただ、そもそも他のキャバクラ嬢はプレゼント代を贈与税申告しているのでしょうか。
年間110万円以上のプレゼントをもらわなければ関係ありませんが、 キャバクラの世界ではそこまで珍しいことではないように感じます。 そして、恐らく申告しているキャバクラ嬢は少数派でしょう。
そういう意味でも、今回の騒動に対する今後の税務署の動向に注目が集まります。 基本的に税務署は人手が足りていないので、税務調査は一罰百戒の考えで行われます。 全数調査ではなく、目立つ案件・悪質な案件を調査することにより、課税の適正化を目指すというものです。
今後の動向にも注目していきましょう。